(90's Emo名盤選) Samiam / You Are Freaking Me Out (1997)

Rate: 9.1/10.0
Genre: Emo/Punk/Alternative
For Fans of: Foo Fighters, Jawbreaker, Leatherface.
Country: California, US.
Label: Ignition Records/Burning Heart Records.


01. Full On
02. She Found You
03. Factory
04. Ordinary Life
05. If You Say So
06. Good Enough
07. Mr. Walker
08. My Convenience
09. Charity
10. While You Were Waiting
11. Nothing New
12. Out Of My Mind
13. Cry Baby Cry – (Beatles cover)

Myspace

Full On


カリフォルニアのイーストベイパンクシーンを代表するバンド言えるんじゃないかと思う、最高なバンド、Samiamの5thアルバムをれぶー。

Burning Heart Recordsは好きだったので名前だけは知っていたのですが、彼らの作品は殆ど未聴でした。（5th"Astray"の何曲かくらいしか）
それで数年ぶりの新作リリース！って事らしいので、これを機に聴いてみたら、衝撃！！その瞬間殆どのアルバムを一気にポチった程で、今では自分の中で凄い重要な位置を占めているバンドなんです。

「エモーショナル」という表現だけでは彼らの素晴らしさを伝えきれない、しかし何度聴いても「エモい！」という熱い想いが沸き上がってしまい、上手く説明が出来ません。「良い物は良いのだ！聴け！」とシンプルにレビューしたい所ですが、性分的に上手く説明ができなくてもグダグダ言いたいので、頑張って言葉にします。

Good Enough


何となくですが、いつも１曲目はキラーチューンで、後半に聴きやすい曲が多いっていう曲順だったりすることが多い気がするんですよね。気のせいかもしれませんけど。
僕の言うSamiamにとっての"聴きやすい曲"ってのは、初期のパンクっぽいエモーショナルなメロディックサウンドで、"聴き難い曲"ってのはポスト・ハードコア的なエモ・・・あるいはオルタナティブな濃ゆいサウンド。
今回は全体的にパンクって言うよりは、オルタナティブなパワーロックって感じに力強く攻めてます。特にヴォーカルのJasonの歌声のパワフルさが増しています。Burning Heartらしいロッキンな力強さって感じです。そういう意味でJasonの力強くてエモーショナルなヴォーカルにスポットがより当たった作品になっているかも。（※元々魅力的で、強みの一つでしたけれど。）

Factory


前作の"Clumsy"でメジャーレーベルと契約したものの、周りからの評価はイマイチみたいで、インディレーベルへ戻った今作への期待値は相当だったようです。しかし今作は初期Samiamファンも納得かつ、前作が好きだった人にもイケる作品になっています。
ただ、「納得」「イケる」というだけで「原点回帰」でも無いですし、「前作の焼き直し」でもないです。80'sハードコアを消化した彼らのメロディにはギリギリ感やテンション（緊張）ってのがあって、それが危うくてエモーショナルなんですよ。そういうのが3rdアルバム"Billy"でPost Hardcore的な手法で表現されて、"Clumsy"で分けわかんない感じになって、今作で表現がシンプルになってロックっぽくなって・・・徐々にインディーロックっぽい表現も増えてきて・・・みたいな感じに変わって言ってると思ってます。
だからつまり、今作は進化の過程にあるSamiamのサウンドで、どのキャリアの要素や可能性も含まれていると言えるけど、そのどれでもない4thアルバムだけのサウンドということ。全作の中でも一番シンプルな気がしますし。ある種メジャーじゃないけど、一番メジャーっぽいアルバムかも。
シンプルだからこそ、Jasonのヴォーカルがこんなにも生きて、グイグイ引きこまれて、心に染みるんでしょうかね。

While You Were Waiting


衝撃度で言うと2nd"Soar"や8th"Trips"の方が高そうですが、聴きやすさで言うと屈指のアルバム。ここに載せた４曲はどれもキラーチューンですし、大好きなアルバムの一つです。

後、HMVのレビューページに書いてあったんですが、「某誌でかのイースタン・ユース吉野氏が’９７年のベスト５に本作選んでいた」そうな。確かに好きそうですよね。