Rate: 9.4/10.0
Genre: Indie/Emo/Pop Punk
For Fans of: Title Fight, Citizen, The American Scene.
Country: Virginia, US.
Label: Run For Cover Records
Official: facebook
Stream: Bandcamp
正直前作EPの感じとは印象が大分違いますが、これはこれで良いんじゃないでしょうか？多くのバンドがAlternative/Indie的なEmoサウンドに傾倒していく中で、このバンドは上手にやりたい事をやれているような感じがします。
そんなヴァージニア州のEmo/Punkバンド、Turnoverの1stアルバムをレビュー。
Shiver
現行のシーンで人気のある傾向のサウンドですが、こういうサウンドは格好いいから簡単に出来る物でもない難しさがあると思います。自分の引き出しの中の要素を、Post Hardcoreのような解体→再構築といったプロセスが必要というか。でなければ、取ってつけたようなEmo要素が薄っぺらく感じてしまう気がします。Indie Rock等は、「これ！」と言った「らしさ」があるわけでもないので、今までの自分の消化してきた音を自分なりに表現してみたら、結果的に当て嵌められるラベルがないので、「Indie Rock」あるいは「Alternative Rock」、「Post Hardcore」って聴く側が勝手にラベル付してるだけだと思うんです。
そういう意味で真似しようと思っても中々難しいサウンドだとは思うんですが、このバンドは気持ち良い位に素晴らしいIndie Emo/Pop Punkアルバムを作っちゃってくれましよ。ゴイスー。
Review: Turnover / Turnover (2011)前作のMelodic Hardcore路線でもエモーショナルな感じはありましたが、今作では切なさと寂しさを纏った極上のIndie Pop Punkサウンドになっていました。それでいて、疾走展開の曲もしっかり収録されているのです（ここ重要）。普通こういう路線に言ってしまったバンドの場合、初期作品の曲調は消えてしまい、僕なんかは「そういう曲も少しはあればなあ」なんて思ってしまうパターンが多いんです。しかしこのバンドは、僕が「格好良い！」と感じた初期の駆け抜けるエモーショナルサウンドを持ちつつも、更に表現力に深みを出すことに成功し、新境地を開拓しているではありませんか！もう言うこと無しの進化ですよ！
Wither
90's Emo的美麗なギターフレーズが光る"Shiver"は、心地良い疾走感の曲だなあと思ってたら、後半の疾走展開に絶頂。一曲目からキラーチューンが飛び出すとは…。"Wither"に関しては最初っから突っ走ってくれますし、もう前作のEPからのファンもニヤニヤが止まらない作品でしょう。CHORUSパートではミドルテンポになった時も、前作よりも進化した表現力でグッとエモーショナルに聴かせるメロディを展開。その後また疾走する事によって、より心を駆け抜ける爽快さが段違いに良くなっています。過去作で見せた魅力と今作で見せた魅力…お互いの魅力を損なうこと無く引き立てあっています。そう感じた部分が、前述の「このバンドは上手にやりたい事をやれているような感じがします」という発言に繋がっているわけです。そういった魅力は"Shiver"や"Wither"以外にも、"Bloom"や"Like A Whisper"等で体験出来ます。オススメですよ！
Hollow
勿論、表現力が上がったおかげで、"Hollow"や"Daydreaming"等のようなじっくりと聴かせるようなテンポの曲も「じれったいな」と感じること無く、その切なくエモーショナルな音の波に心地良く委ねる事が出来ます。
バンドとしてこれ以上ないくらい痛快な進化を遂げてくれた彼ら。キッズの好む傾向がエモーショナルなサウンドに向き始めている昨今で、こういうModern Pop Punkシーンの良い所を上手に表現したTurnoverの新作は間違いなく飛びつかざるをえないはず。それ位バランス良いと思いますよ！今年を代表する作品かも？オススメ！！
Tracklist
2. Most Of The Time
3. Wither
4. Seedwong
5. Pray For Me
6. Bloom
7. Hollow
8. To The Bottom
9. Like A Whisper
10. Flicker And Fade
11. Daydreaming
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