Rate: 8.7/10.0
Genre: Indie/Meloic/Punk Rock
For Fans of: Alkaline Trio, Banner Pilot, Samiam.
Country: Chicago, US.
Label: Epitaph Records.
Link: facebook
基本的に僕の評価は、新人にかなり甘く、よっぽど好きでもない限りベテランは普通って感じなんですが…それはやはりベテランの場合、数あるリリースの中で好きな作品があって、それが基準になってしまうってのがあります。このバンドに対しても、前作"Oh! Calcutta!"のようなサウンドを期待していたんですが、ソレと比べれば最初はやや肩透かしを食らったかなという印象でした。
Seventeener (17th and 37th)
その原因かなと思われる一番の部分は、彼ら特有の噛み付くように畳み掛けるボーカルや、前のめりな楽曲展開と疾走感、そしてそれらが生み出すPunkの攻撃性みたいなのが今作では見られなかったからかなと。じっくりと聴けば、彼らのそのシカゴメロディックの何処か哀愁があって影のあるメロディが心地良く空間を支配するんですが、何処か物足りなさを感じてしまうのは事実。
まあでも曲を続けて聴く内に、"Seventeener (17th and 34th)"〜"Beautiful Things"辺りで、「あ、これ良い曲だわ」と心から飲み込めたんですけどね。上記の噛み付くような攻撃性が薄れた分、メロディや雰囲気がぐっと同じイリノイ出身のAlkaline Trioよりなサウンドになってるので、そこら辺好きな人はいつもよりグッとくるのかも。
The YMCA Down The Street From The Clinic
しかし本当にぐっと雰囲気変わりましたよね。特に中盤以降が素晴らしい。何と言うかギターの残響音にも拘っているというか…がむしゃらにかき鳴らさなくなったって感じ。"Metropole"や"The YMCA Down The Street From The Clinic"とか中期Samiamに通づるエモさがあります。ここら辺の変化の現れは、Folkとかの影響があるのかなあ。アコースティックギター等で弾き語りで作曲してたりするんだろうけど、その時点でFolkのテイストが入り込んでて、アレンジに影響与えてるとか。
逆に"Hickey Avenue"や"Drunk Tweets"のような従来のパンキッシュな曲が流れると、あれ?ってなっちゃう位、今作には攻撃性のある曲は違和感が出ちゃう…つまりそうじゃない曲が彼らにしっくり来てるんですよね。
従来のファンからはやや物足りなさを感じてしまう作品なのかもしれませんが、今作から彼らに触れるフィルターのない人にとっては、すっと心に入ってくる良作メロディックアルバムだと思います。僕自身、そこまで彼らに強烈に思い入れがなかったので、「今作の方が良いかも?」なんて気すらしてきました。
今作をこれはこれで楽しめれば、元気のある時は昔の曲を、しっとりしたい時は今作を…なんて使い分け出来て良いですしね。"Paradise Shitty"みたいに今までのいいとこ取りした曲もありますし、今後の作品がどう変化していくのか楽しみ。メロディが良いバンドはどう方向性になっても、あんまり心配してないんですよね。
Paradise Shitty
Tracklist
02. You Are Here
03. Hickey Avenue
04. Seventeener (17th and 34th)
05. Beautiful Things
06. Acheron River
07. Metropole
08. Drunk Tweets
09. The YMCA Down the Street from the Clinic
10. Never Fade Away
11. Paradise Shitty
12. October Blood
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