(激PUSH盤) Set Your Goals / Burning At Both Ends (2011)



一言レビュー「攻撃性を抑えた事により、彼らのメロディセンスの良さが浮き彫りになった良作」

Genre: Pop Punk/Punk/Hardcore
For Fans of: Movielife, New Found Glory, Four Year Strong.
Country: California, Us.
Label: Epitaph Records

1. Cure for Apathy
2. Start the Reactor
3. Certain
4. Happy New Year
5. London Heathrow
6. Trenches
7. The Last American Virgin
8. Exit Summer
9. Unconditional
10. Product of the 80's
11. Raphael
12. Illuminated Youth
13. Not as Bad

Myspace

Certain


全ポップパンクファン期待のバンド、Set Your Goalsの待望の新作が遂にドロップ。
個人的に衝撃的に良いアルバムだと思っています。日頃からグッドメロディ、グッドメロディとウルサイ僕にピッタリのポップなアルバム。しかもただポップなのではなく、パワフルでダイナミックな・・・ダイナミックなんて久しぶりに使いました・・・スパロボのファイナルダイナミックスペシャルぐらいしか使ってないですよ・・・とまぁそんな事はさておき、とにかく力強いんですよ!

かと言って疾走感が無くなったわけではなく、「そういう」曲もある、全曲聴き応えのあるアルバム。聴きこめば聴きこむほど味が出てきます。攻撃性が薄れ多分即効性はないので、アルバムを通して聴くと物足りないこともあるかもしれませんが、もう一回じっくり聴けばハマってくるはず。


M-1"Cure for Apathy"は最近のBad Religionを彷彿とさせるリフのイントロから始まり、パワフルでキャッチーなサウンドを展開。
M-2"Start the Reactor"は落としたパートを全面に押し出しているけれど、そこまでヘヴィに感じないのは意図したものなんでしょうか?キャッチーなメロディに、シンガロングが掛け合うライブ向きな曲。
M-3"Certain"はPVにもなっているリードシングル的な曲。この曲がアルバムの顔として先行試聴した時、前作よりもポップになったなぁという声をよく聞きました。まぁ分かる気もします。それでも良い曲なんですよね。僕は大好き!
M-4"Happy New Year"は最初の3曲がポップな感じだったので、疾走感やシリアスな雰囲気が一層際立ちます。アルバムを通して聴いていた方は、この曲の時に「これこれ!こういうのが聞きたかった!」ってなったのでは?
M-5"London Heathrow"は逆にさっきの曲の対比で、かなりポップで・・・悪く言えば少しかったるく聞こえるかもしれませんね。単体で聴くと凄く良い縦ノリの曲で、ライブで聞いたらずっとジャンプしたくなるような曲ですけどね。

Unconditional


M-6"Trenches"は哀愁感あるメロディで、ロック的で歌モノなサビを終えると疾走パート・・・と面白い曲です。こういうロッキンなリフ・メロディの曲の引き出しもあったんですね。今までのファンからしたらハードコアなアレンジにして欲しい・・・って言うのが本音かも?(笑)
M-7"The Last American Virgin"はイントロから彼ららしい雰囲気が出てます。サビ前(Pre-Chorus)の前のめりなリフとか凄く「らしい」ですよね。このアルバムは割とサビで落とす展開が多かったので、この曲の疾走感のあるサビパートは溜めてた分、聴いていてさぞ気持ちいいでしょうね。
M-8"Exit Summer"はハードコアな疾走ナンバー。サビは大合唱が起こりそうですね。こういう曲をしっかり一曲いれてくる辺り、自分らがどういう風なバンド(Pop Punk×Hardcore)として見られてるか、(意識的にか無意識的かわかりませんが)わかってますね。恐らく如何に良いアルバムでも、全曲Pop Punkだと、少々控えめな評価をされてたはず。
M-9"Unconditional"は恐らく、このアルバムで一番人気が出そうな曲。疾走感×グッドメロディは間違いなくキッズはノックアウトされますね。つまり僕はノックアウトされました。直球なファストポップパンクナンバー。
M-10"Product of the 80's"は彼ら的に80'sを意識した曲みたいですね。シンセを入れてみたり、メロディもパワーポップっぽくしたり。

Raphael


M-11"Raphael"は個人的に今作のベストトラックですね。前作のシリアスめな雰囲気と攻撃性を持っている気がします。やはり疾走感と、ツインボーカルならではの畳み掛けるようなボーカル、切れ味のあるリフだったり、ストーリー性のある展開力だったりと、彼らの持ち味に今作のメロディ性を重視したサウンドが上手く噛み合った曲だと思います。
M-12"Illuminated Youth"もまた、メロディック系な疾走感のある曲。やっぱりこういう曲を聴くと、彼らは変わってないなぁと思えますね。やっぱ良いバンドです。
M-13"Not as Bad"はこれから進んでいく道(方向性)にの彼らに希望しか持てない事をファンに教えてくれるような、彼らの集大成的な曲。


メロディはポップパンクからの影響も見て取れますし、哀愁感を感じるメロディックからの影響もあるように思えます。シリアスな雰囲気やリフなんかもEpitaphのバンドになったなぁって感じもしました。
メロディもロッキンなサウンドだったり、80'sパワーポップを意識したりと、サウンドの幅を広げようとしてるのを感じました。
バンドとして大きく成長・・・そうですね「成長」と捉える事の出来るアルバムだと思います。決して「迷走」ではないです。

ある種の即効性は前作、前々作よりも弱いかもしれませんね。分かりやすい曲・・・つまり前々作の"Work in Progress"~"We Do It for the Money, OBVIOUSLY!"だったり、"This Will Be The Death Of Us"だったりと、一聴してヤバイと思わせる曲が無いように感じてしまうんですよね。引っ掛かる刺の無いアルバムというか。
でもよく聴いてみると、その刺の無さも意図的に思える程、むらなく全曲よく練りこまれてるんですよね。ポジティブでポップなメロディは、今年の夏の必聴盤になること間違い無いし、何より、捨て曲らしい捨て曲がないというか。いや、そりゃ個々人の好みもありますけどね。
恐らく彼らはこのポジティブで元気一杯の曲達を、早くライブで披露して皆と一緒に盛り上がりたい気持ちで一杯なのではないでしょうか?そういった意気込みもこのアルバムからも感じれます。

ある意味パンクバンドに必要とも言われる、「粗さ」というものが無くなった今作ですが、同時にグッドメロディを奏でるポップバンドとしては格段の成長を遂げた彼ら。今後どのような道に進んでいくかわかりませんが、この先彼らについていくのは間違いではないと強く思わせてくれた今年一番のポップパンクアルバム。

Products of the 80's







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