続いてSide '72-'88と称して、言うなれば古きよきソウル黄金時代の後期特集の記事であります。
Tracklist
[Side '72-'89]01. Donny Hathaway / Little Ghetto Boy (Live) ('72)
02. Robert Flack / Killing Me Softly with His Song ('73)
03. The Stylistics / You Make Me Feel Brand New ('73)
04. Barry White / Can't Get Enough Of Your Love Baby ('74)
05. Bobby "Blue" Bland / Ain't No Love in the Heart of the City ('74)
06. Stevie Wonder / Isn't She Lovely ('76)
07. Earth Wind & Fire / September ('78)
08. Prince / I Wanna Be Your Lover ('79)
09. Teddy Pendergrass / Do Me ('79)
10. Lionel Richie / Endless Love ('81)
11. Luther Vandross / Never Too Much ('81)
12. Chaka Khan / Ain't Nobody ('83)
13. Freddie Jackson / Rock Me Tonight ('85)
14. Maze featuring Frankie Beverly / Back in Stride ('85)
15. Whitney Houston / Saving All My Love For You('85)
16. Dionne Warwick & Friends / That's WHat Friends Are For ('85)
17. USA For Africa / We Are The World ('85)
18. Alexander O'Neal / If You Were Here Tonight ('85)
19. Anita Baker / Sweet Love ('87)
20. Micheal Jackson / Man in the Mirror ('88)
21. Bobby Brown / Every Little Step ('88)
22. Karyn White / Superwoman ('88)
23. Regina Belle / Make It Like It Was ('89)
[Side '55-'72]はこちら
01. Donny Hathaway / Little Ghetto Boy (Live) ('72)
この"Live('72)"と銘打ったライブアルバムはソウルミュージック史に残る名盤だと思います。はっきりいってどのレコーディング音源よりも素晴らしいクオリティ。素晴らしいブラックミュージックアーティスト達は基本的にレコード<<<ライブのようですね。彼らのフィーリングやグルーヴってのはしっかりと整理整頓されてしまったレコード/CDでは味わえないんでしょうね。
02. Robert Flack / Killing Me Softly with His Song ('73)
これ何かのCMで使われてましたよね。ネスカフェ?ともあれ、この曲で彼女は、グラミー賞の最優秀レコード賞、最優秀楽曲、最優秀女性ボーカルの三部門で受賞したそうな・・・凄い。
03. The Stylistics / You Make Me Feel Brand New ('73)
UKスーパーファンクグループのThe Sound Stylisticsはこっから名前付けたのかな?まぁサウンド的には違うので、関係ない可能盛大ですけど(笑)泥臭くはなく、洗練された曲調がお洒落。ムーディーって言葉がぴったり。ソウルも徐々にこういった洗練されていったものが人気になっていきます。
04. Barry White / Can't Get Enough Of Your Love Baby ('74)
この曲もAOR風の洗練された曲。段々ディスコミュージックも人気が出てきて、ソウルアーティストもそういったものに手を出し始めます。彼の関わった曲の総売上は一億枚にも達するとか・・・なにそれこわい・・・
05. Bobby "Blue" Bland / Ain't No Love in the Heart of the City ('74)
74年の曲を紹介しましたが、50年代から活躍するブルースシンガー。この曲はディスコナンバーっぽくて好きなので紹介しました。2:43~のドラム+手拍子+ヴォーカルだけになる所がムチャムチャ好き。
06. Stevie Wonder / Isn't She Lovely ('76)
"Superstition('72)"と迷ったんですが、こちらの方が思い入れがあって好きなので。"Talking Book('72)"、"Innervisions('73)"、"Fulfillingness' First Finale('74)"、"Songs in the Key of Life('76)"の辺りのスティービーは本当に最高です。ベストを借りるよりもこの時期の4枚のどれか一枚を借りることをオススメします!
07. Earth Wind & Fire / September ('78)
僕のオールタイムベストに入る曲です。モーリス・ホワイトの厚みと膨らみのあるヴォーカルと、フィリップ・ベイリーのクリアでハイトーンボイスにやられます。聴いていてこんなに切なくなって、こんなにテンションが上がる曲もないです。フィリッピ・ベイリーは僕のオールタイムベストの一つ"Easy Lover"でもフィル・コリンズと共演しています。あれも超名曲。
08. Prince / I Wanna Be Your Lover ('79)
彼に対する評価って両極端ですよね。「無関心と熱狂」。ブラックミュージックが好きな人で、彼の作品を知った人は彼の熱狂的ファンに。聞かない人は、マイケル・ジャクソンの焼き直し的アーティストの烙印を勝手に押してしまいます。彼ほど高クオリティのポピュラーミュージックをやっているアーティストもいないかと思います。Funk、Jazz、Blues、R&B、Soul、New Wave、Hip-Hop、Rockを洗練されたセンスで消化し、しかもそれを他者に理解されにくい高尚なモノとはせず、非常に耳馴染みの良いポップスへと昇華させた才能はもう正にプリンス(殿下)に相応しいですね。たまらん。
09. Teddy Pendergrass / Do Me ('79)
ヒゲダンス。
10. Lionel Richie & Diana Ross / Endless Love ('81)
映画「エンドレス・ラブ」の主題歌としてアカデミー賞主題歌賞を受賞し、この年最大のヒット曲に。ライオネル・リッチーも曲の作り方や魅せ方、売り方なんかもエンターテイナーとして一流ですよね。自分の売り方を良く知ってるプロフェッショナルって感じがします。
11. Luther Vandross / Never Too Much ('81)
ブラック・コンテンポラリーの第一人者。確かにこの裏で鳴ってるシンセに、リズムマシーンで特徴的に刻む感じなんかは、凄くアーバンな雰囲気で70年代後半からのブラックミュージックを象徴しています。このスタイルが人気が出て以降、ソウルやR&Bなどのブラックミュージックは、これがスタンダードスタイルになっていくように思えます。
12. Chaka Khan / Ain't Nobody ('83)
プリンスのカバー"I Feel For You"やレイ・チャールズとのデュエット"I'll Be Good To You"とかも有名なんですが、こっちをチョイスしました。元々所属していたRufasというファンクバンドの解散直前に書き下ろされた新曲だったそうです。ファンクバンドの楽曲だって言うことで、粘っこい「黒さ」が詰まってて格好いいです。
13. Freddie Jackson / Rock Me Tonight ('85)
彼もまたブラックコンテンポラリーアーティストの代表格。この時代のやたらリバーブのかかったドラムがたまらなく好きです。僕が初期SMAPが好きなのは、こういったブラックコンテンポラリーに影響を受けたヴォーカルグループ/アイドルグループを真似たスタイルだからなのかも。
14. Maze featuring Frankie Beverly / Back in Stride ('85)
このモダン・ジャズ・ファンクとも言えるダンスナンバーはいつ聴いても気持ちいいです。なんかの映画とかに使われてそうですね。年を追うごとに、段々シンセやリズムマシーンのトラック数が増えてく気がします。
15. Whitney Houston / Saving All My Love For You('85)
えんだーーーーーーーーーー∑(゜Д゜)で有名な、ホイットニー姉さん。この曲もまた初期の名曲として人気です。ゴスペル仕込みのパワフルな歌声は聴いていてスカっとします。
16. Dionne Warwick & Friends / That's WHat Friends Are For ('85)
悪ふざけとしか思えない面子。アカデミー主題歌賞を受賞した映画「明日に向って撃て!」の主題歌「雨にぬれても」の作曲者、バート・バカラックの作曲に、ディオンヌ・ワーウィックを中心として、グラディス・ナイト、エルトン・ジョン、スティービー・ワンダーという面子が参加した豪華な曲。カバーらしくて、オリジナルはロッド・スチュアートによって歌われてるそうな。86年のビルボード年間シングル一位にして、グラミー最優秀ポップパフォーマンス賞デュオ/グループ、最優秀楽曲賞受賞。エイズのためのチャリティーシングルとしても有名。
17. USA For Africa / We Are The World ('85)
悪ふざけその2。いやそう言ったら失礼ですね。本当に素晴らしい面子に、素晴らしい試み。これだけ力のある人たちの影響力は計り知れないですからね。こういうことは続けていってもらえると音楽って素晴らしいんだと感じることが出来ます。東北のためにもやって欲しかったな・・・。マイケルが生きてたら・・・いや、タラレバはやめましょう。
18. Alexander O'Neal / If You Were Here Tonight('85)
アーバンな中でもポップな作品がヒットを飛ばす中、悲しみや哀愁を漂わせるメロディ・アレンジでヒットした曲。印象的なイントロのシンセが・・・もう・・・うぅ・・・たまらん・・・。アレックスの1st(セルフタイトル)は名盤なのでオススメ。プリンスのプロデュースバンド、「ザ・タイム」の前身バンド「フライトタイム」に在籍していたアレックスのグループメイト、ジャム&ルイスによるプロデュース。ジャム&ルイスは宇多田ヒカルの「Addicted To You」「Wait & See」のプロデュースも手がけてます。
19. Anita Baker / Sweet Love ('87)
ブラックミュージックの中でもジャズやフュージョン寄りのクセのあるトラックをベースに人気を博したそうな。こういう感じはAORとか好きな人にも受け入れられそうです。
20. Micheal Jackson / Man in the Mirror ('88)
この曲はメロディもアレンジも素晴らしいんですが、歌詞が物凄く好きなんです。コーラス(サビ)の部分なんですが、
I'm starting with the man in the mirror.
(僕は鏡の中の男に問いかける)
I'm asking him to change his ways.
(心を改めてみないかと)
And no massage could have been any clearer.
(こんなに分かり易いメッセージは無いだろう)
If you wanna make the world a better place.
(世界をより良くしたいと思うなら)
Take a look at yourself, and then make a change.
(まず自分自身を振り返り、自分自身から変えていくことだ)
※youtubeにあった日本語訳字幕動画から引用させていただきました。
という部分。それが一番難しいことだと分かってるんですが、それを諦めてもいけないんですよね。まだ僕は変われていません。
21. Bobby Brown / Every Little Step ('88)
ホイットニーヒューストンと結婚→DVで離婚・・・という人気沸騰後に起きた度重なる不祥事で90年代は人気はガタ落ちしますが、この時期の彼のサウンドは間違いなく90年代R&Bの一つの指針になりました。
22. Karyn White / Superwoman ('88)
この時代の人気女性ソウル歌手の魅力の一つに、押し付けがましくない歌声ってのがある気がします。聴いていて心地いい。
23. Regina Belle / Make It Like It Was ('89)
アラジンの主題歌"A Whole New World"を歌ったアーティストとしても有名。劇中で歌ってた方じゃないですよ?いつからか、主題歌は主題歌でアーティストが歌って、劇中で歌われる主題歌はアクターさんが演じることが基本になってますね。彼女もまたアーバンなスタイルで都市部で高い人気を得ました。
80年代まではこのブラックコンテンポラリーのスタイル・・・(つまり弾けるリズムマシーン+洗練されたシンセ(トラック)+アーバン(都会的)なアレンジ)・・・はお洒落で格好いいし、リズムマシーンのビートも生き生きしてるんですが、90年以降段々劣化していってる気がするんですよね。00年代は00年代の良さがあるんでしょうけどね!悲観せずに漁って見ようと思います!別もんだと思って聴けばかなりハマリそうな気もするし。
ちょっとB.O.BとかBruno Marsとか気になってます。
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